第81章

「少しは楽になった?」

アリシアは小川の水で濡らした清潔なハンカチを、カリーナへ差し出した。

7月上旬のサン・ロートは、そろそろ一年でいちばん暑い季節に差しかかる。二人とも蜘蛛糸布で仕立てた体温調整の利く肌着を着てはいるものの、露出している肌はやはり堪える。まして湿気のこもる林の中だ。疲労と外気に煽られて汗が止まらず、体力が目に見えて削られていく。

「生き返った……」

カリーナはハンカチを顔にぺたりと当て、まるで一皮むけたみたいに息をついた。

アリシアにも、その感覚は痛いほど分かる。自分だって同じくらいきつい。

ただ、彼女は我慢できると思っているし、こういう不便さもたまには悪くな...

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